五丈原の戦いが三国志の魏蜀呉の最終決戦だったのですか?
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五丈原で孔明が陣没したのが234年。
蜀が魏に攻められて滅亡が29年後の263年。
魏が晋に禅譲して滅亡するのが365年。
呉が晋に攻められて滅亡するのが孔明陣没の46年後の280年。
この間も様々な逸話や戦いがあります。
日本で多く紹介されているものは「正史」ではなく「演義」をベースにしています。
「演義」は15世紀になって民間伝承や演劇に取材してまとめられた通俗歴史小説です。
「正史」が晋の前身である魏を正統としているのに対し「演義」は蜀をメインにおいています。
このため玄徳や孔明を軸に話がすすみます。
5回目の北伐を物語のほぼ最後に置くことが多いのもこのときに孔明が陣没しているからです。
三国時代は晋によって呉が滅ぼされて統一されるまで続きますが、現在多く流布されている三国志は孔明の死によって幕を閉じています。このスタイルは吉川英治が始めたものです。
吉川氏は三国志の末尾に「諸葛采」という孔明に焦点を当てたエッセイを置いて締めにしています。この中で彼は、三国志は曹操に始まって孔明に終わる二大英雄譚であるとし、それ以後は主役となる人物がいないため、作家として作品を続けることができないと語っています。
小説三国志は、記録文学ではなく大衆向け文芸作品です。ヒーローのいない三国志は、ゴジラが出てこないゴジラ映画、印籠が出てこない水戸黄門のように味気ないものでしょう。
違います。最終決戦なんてものはありません。
三国志演義はフィクションだが
歴史としての三国志はノンフィクションなので
そういう最後の戦いみたいな劇的展開は
ありません。
魏呉蜀はそれぞれ別の事件で滅びますし
勝者はいません。最終的な勝者は晋ですから。
五丈原の戦いは、単に諸葛孔明の最後の攻勢というだけです。
しかもあんまり見込みのあるものでもなかった。
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