三国志について
三国志を基にした漫画をたくさん読んで興味を持ちました。
三国志、正史、演義と少し難しい構成がある様で
どの様な書籍に手を出せばいいかわからず困っています。
調べた所、井波律子翻訳の三国志が分かり易いとあったので
それを購入しようと考えている所です。
だけど読んだことのある方や詳しい方の意見も参考にしたいので
お勧めの書籍がありましたら教えて下さい。
三国志に興味をお持ちということですが、
まず質問者様が「文学としての三国志」に興味があるのか、
それとも「歴史としての三国志」に興味があるのか、
これによってお勧めの本は大きく二分されると思います。
他の回答者の皆様も書いていらっしゃいますが、
ざっくり言って西暦200年あたりの中国大陸での歴史が三国志に当たります。
「正史の三国志」は実際に歴史上存在した人物について、ほぼ同時代の人物(陳寿という人です)が書き記したものです。
出来事を中心に書いた歴史書ではなく、人物を中心にまとめられた歴史書なので、人物名鑑みたいな雰囲気です。
予備知識なしに陳寿の正史三国志を読んでも、あんまり面白くないかもしれません。
三国志を基にした漫画をお読みになった、ということですから、「文学としての三国志」ワールドに突入されることをお勧めします。
膨大な数の三国志文学が世の中にはありますが、この中でお勧めしたいのは、
吉川英治の三国志です。
かなりオーソドックスな三国志であり、エンターテイメント性も高いです。
それから、漫画ですのでもうお読みかもしれませんが、オーソドックスで外したくないのは
横山光輝の三国志です。
こちらは漫画ですが、巻数が非常に長いので、かなり細かいところまで漏れなく描かれています。
また、読みやすく三国志の物語がスラスラと頭に入ってくる作品としては、
三好徹の興亡三国志も良い作品だと思います。
曹操サイドから書かれたライトに読める三国志、という雰囲気です。
これらのオーソドックスな三国志をお読みになって、まだまだ三国志に興味がおありでしたら、
北方謙三の三国志をお勧めします。
こちらはややハードボイルドテイストです。北方氏の性格・思想が反映された一冊となっています。
クセのある三国志としては、
宮城谷昌光の三国志が読みごたえがあります。
ただし、文体・展開が重厚なので、この作者が好きでしたら、という条件付きでお勧めします。
曹操を主軸に置いた作品です。
更にクセのある三国志としてお勧めできるのは、
酒見賢一の泣き虫弱虫諸葛孔明です。
これは諸葛亮孔明が主人公ですが、彼を超奇人・超変人として構成されていますので、十分に三国志になじんでからお読みください。
感性に合えば抱腹絶倒できると思います。
「文学としての三国志」に飽きてきたところで正史・三国志に手を伸ばしてみると、これもまた楽しめると思います。
以上、いろいろと並べてみましたが、世の中山ほどの「三国志」がありますので、お好みの三国志を見つけてくださいね!
みなさん、正史より、演義の方が面白いという意見のようですが、
個人的には、演義はあまり好きではないです。
正史が学術的という意見が多いですが、
僕は逆に、「演義にどう書かれているか」を知るために、
演義を読んだので、かなり我慢させられました。
たしかに演義の方が、世界観は分かりやすいのですが
(劉備は正義の味方、孔明はスーパーマン、曹操は悪党)
歴史というのはそもそも、そういうものでは、ないですからね。
一般的な三国志のイメージというのが、まずありますが
(NHKでやっていた、人形劇「三国志」とか)
こちらが劉備が主役。
正史では、正式な王朝が魏なので、
(漢王朝から、引き継いでいるので。劉備たちは、
自称しただけ)
中心は曹操になります。
この、従来の、演義的な三国志像を覆して、
正史的な世界観で描かれたのが
「蒼天航路」になります。
ちなみに、演義をうつした代表としては、
横山光輝の「三国志」がありますが、
嘘ばっか書いてあるので、読んでいて疲れます。
(実在しない人が、実在の人を倒していたり、
明らかな嘘が見られます)
演義の内容を知りたい場合には、読みやすいのですが
本当のことを知りたい場合は、役に立ちません。
三国志は、流れが複雑で分かりにくい部分があるのですが
陳瞬臣の「諸葛孔明」は、正史的に、本当のことだけをおさえつつ、
流れが整理されているので、かなり分かりやすいです。
「泣き虫弱虫諸葛孔明」は、ギャグが多いので読みやすいのですが、
演義と正史が半々という所で、かなり分析的に書いている部分も、
平気で嘘を書いている部分もあります。
大雑把な言い方ですが、正史を基にしたフィクションが演義だと思って下さい。演義は、虚3実7と言われています。
分かりにくくしているのは、日本で言う三国史の、漫画・小説のほとんどが演義を基に書かれている点であり、日本で一般的に三国史といえば、演義を指します。
まぁ、劉備が主人公であれば、演義だと思って下さい。
で、肝心の井波律子訳の『三国史』ですが、小説や漫画のような物では全くありません。本家本元の陳寿の書いた史書を訳したものです。
まず曹操の一生が書かれ、次に曹丕の一生が書いてあると、人物ごとに順番に人生を辿る書き方です。
漫画や小説と決定的に違うのは、事実や言い伝えが淡々と、本当に少ない文字数で書いてあることです。
読んでいて、面白いものではありません。
私も学問として読みました。
つまり、史書にはこう書いているのだなと、学問、あるいは、資料として読むような書物です。
訳は確かに分かりやすく、文章は簡易ですし、曹操の評価などは演義とは、雲泥の差ですので、正史を学ぶという意味ではいいと思うのですが、読むのは覚悟がいりますよ。
正史と演義の違いが書いてある解説本などは、図書館の方があると思います。また、一昔前から、曹操の再評価が高まり、それらの本は(漫画『蒼天航路』も含め)正史を基にしています。
漫画を読んでいるということですので、次は小説を読んでみてはどうでしょう。
三国志には実際の歴史を綴った正式な歴史書である「三国志」と、その「三国志」を元に書かれた娯楽小説の「三国志演義」があります。
読んで面白いのは、やはり「三国志演義」の方ですし、日本で三国志と言えば普通は演義の方を指します。ですから、最初に読むならば演義の方がいいでしょう。
俗に正史とも言われる「三国志」の方は興味が出てからでもいいと思います。
「演義」も色々と出ていて、中国の原典を翻訳したものもありますが、日本人作家が日本人向けに書き直したものの方が最初は読みやすいと思います。
基本となるのは何と言っても吉川英治の『三国志』で、入門としてはこれがお勧めです。
あとは柴田錬三郎の『柴錬三国志』や、演義ではなく正史を元にしたという北方謙三の『三国志』あたりでしょう。
三国志の小説は「吉川英治」さんの物が一番お勧めです。(文庫本で全8巻)演義に一番忠実に書かれています。ちなみに「正史」というのは歴史上起こった事を列挙している物であり、小説ではなく歴史の資料と考えてください。その正史を一般の人が面白く読めるようにしたものが演義なんです。したがいまして随分脚色されているところも多いですが、三国志を知るには一番の入り口になると思います。(基本、正史は魏の曹操が主人公で、演義は蜀の劉備や諸葛亮が主役です。ここだけはおさえておいてください。)
吉川三国志はその演義をもとにした小説のなかではピカイチの作品です。もしこれで興味を持たれると正史も調べたくなるとおもいますよ。
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