吉川英治の三国志(七)の『出師の表』について感想文を書かないといけないのですが、読んでみても、いまいち内容がつかめません。先生が私の感想文に何を求めてるのかもいまいち分からないんです。
そこで、吉川英治の三国志に詳しい方に、どこを注目して読めばいいかを教えて頂きたいのですが・・・
どなたか教えてください。よろしくお願いします。
吉川の「三国志」の「出師の表」って、確か書き下し文だけで現代訳がなかったのでは・・・?
それで感想を書け、といわれても大変でしょう。単なる三国志ファンですか、その先生?
「出師の表」で味わうべきは、
1・巧みな文章のよさ
2・国を切ないほど思う、孔明の心
3・万感の思いをこめた、出陣の心情
というところでしょう。
1の「名文」ぶりは、「危急存亡の秋(とき)」など現在も故事成語になっている言葉が散見されるところです。「書き下し」にしても、抜群のリズムと的確な単語の使い方で、惚れ惚れするような名文。「文選」に採用されたのも分かります。
味わいは是非、声に出して読んでみてください(かつてNHKで放映された「人形劇三国志」で、孔明役森本レオ氏がとても情感こめて読み上げていました。DVDも出ているので、機会があればぜひ)。
2は「この文章を読んで、泣かぬものはない」といわれた、切々とした孔明の心情です。無名の自分のために、3度もスカウトにきてくれた現・皇帝の父、劉備に対する感謝と忠義心(「先帝、臣が卑ひなるをもってせず、みだりにおう屈し三度草ろにかえりみて~これによって感激し・・・」)、自分の後のことを、子どもに諭すよう丁寧に説く思い。
「本当の忠義とは?」「国を本当に愛するとは?」を訴えかけてきます。
3、孔明は皇帝・劉禅が”ダメな人”であることをよく知りながら、だからこそ自分が元気なうちに、亡き劉備と誓った「北伐」をやり遂げねばならない、強い使命感を持っていました。
もちろん、ボンクラ皇帝を置いて、遠く戦地に旅立つのは、孔明としても不安一杯です。「後ろ髪、ひかれる思い」とはこういうことを言うんでしょう。
「今遠く離るるに当たって、表に臨んでていきゅうし、いうところをしらず」。まさに「万感の思い」をこめて、こう筆をおくのでした。
この三つのどれかに注目し、その点について感想を書けばいいんじゃないでしょうか。
出師の表を簡単に言うと
三顧の礼に感謝し亡き劉備の悲願(漢復興)をはらす為に大国の魏へ無謀と知りながら一生涯を賭けて戦いを挑む姿勢が感じ取れます。(劉禅への諌めも)
桃園の誓いと三顧の礼と劉備の白帝城で諸葛亮への遺言の辺りを読むと出師の表が解り易くなると思います。
感想文のテーマは忠義だと思います。
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