三国志で諸葛孔明が劉備の部下にならなかったら

三国志で諸葛孔明が劉備の部下にならなかったら

話はどうなっていたでしょうか？



劉備が蜀を手にすることがなく、三国志にならないでしょうか？

劉備が蜀を取れないと言う可能性はあまり無いと思います。そもそも

諸葛亮が天下三分の計を示した、と史書には書かれていますが、これ

は著者の陳寿が後付で、隆中ではそう言う会話があったと創作してる

可能性もあるのです。



例えば魏略では諸葛亮は人口を把握したり納税量を増やすにはどう

したらよいのか、と言う案を示した、とありますが、赤壁後の彼の行動は

むしろこの進言と同じ事を行なっており、こちらの発言の方がもしかした

ら実態に近かったのでは、と言う人もいます。



この説が否定されているのは陳寿が天下三分の計を示した、と書いて

いるからだけであって、天下三分の計自体の真偽は誰も確認していない

のですよね。個人的には表現がおかしな所等もあるので創作の可能性

はあるんじゃないかな、と思っているのですが。（元々公の場での発言で

無い限り、個人の発言はほぼ全て創作じゃないかな、と疑っていますが）



それに諸葛亮が劉備の客となってから、天下三分に向けてどれだけ彼が

動いたでしょうか。結局蜀取りに動いたのは蜀から張松が訪れて、蜀取り

を劉備に勧めてからの話です。それも諸葛亮自身はほとんどその戦略に

直接的には参画していません。あくまでもホウ統や法正と言った人物達が

主導して動いているのです。



そう言う意味では天下を三分してその一つを領有する、と言う構想に果た

してどこまで諸葛亮が寄与していたのか・・・少々怪しいところであります。



そうなってくると、曹操の荊州討伐時に諸葛亮が関与したことは僅かです

し、（呉との同盟は元々魯粛が持ちかけてきた）諸葛亮がいなくとも後の

展開に大きな差は生じない、と言う可能性も出てくるのです。



ただ、蜀征伐及び漢中攻防時における、諸葛亮の後方支援と言う重要

な役割を誰がこなすか、と言う問題がありますね。最終的には蜀取りまで

はいけるかもしれませんが、後方をきちんと治めてくれる人物がいなければ、

時間はよりかかったりしてた可能性は高いと思います、がそれでも三国鼎立

には至っていたのではないかと思います。

「天下三分の計」と呼ばれる考えは中国全土を三つの勢力に分けて拮抗を図ろうとするもので、なにも諸葛亮のみが考えていたことではありません。実際、呉の魯粛は劉備との協調路線で天下三分を推し進めています。



ですから諸葛亮がいなくとも、劉備が益州（蜀）を狙うのは当然の流れとしてあったでしょう。



ちなみに諸葛亮の策は「草蘆対」として区別されることがあります。

彼は天下を三分することだけを唱えたのではなく、そのうえで曹操を討つ策を劉備に示しました。孫権とは同盟を結び荊・益両州を押さえたのち、益州から長安を、荊州から洛陽を攻め、両都を陥とすというものです。



この構想をもとに劉備は動いているので益州を取る時機やその後の動きに変化はあるかもしれませんし、諸葛亮がどの分野で手腕をふるったかもわかりかねますが、劉備陣営の人材を考えれば諸葛亮がいなくとも三国鼎立の構図はほぼ間違いなく完成するはずです。



個人的には関羽がいたことのほうが影響が大きいと思います。

三国鼎立の戦略構想は諸葛亮あってのものです。

呉の孫権に仕えた魯粛は孫権に対して、魏と呉との

両立体制から隙を見て魏を打倒する戦略を進言しています。

もし、諸葛亮が劉備に仕えていなければ、三国鼎立は成立しません。

また諸葛亮は劉備以外なら孫権に仕えるでしょう。そうなれば魯粛の意見に

同調すると思います。

劉備は相も変わらず、流転の繰り返しとなるでしょう。

三国志ではなく二国志になると思います。

可能性は低いですが

・劉備がしぶとく生き残って、孫権が曹操を打ち破ったら

・呉の尖兵として劉備が蜀に送られたら

・蜀の将来を憂う人たちが劉備を迎え入れたら

と、三国鼎立の可能性はゼロでは無いかも。

でもキリがありませんね。



それに、諸葛孔明なしの劉備では、面白味も減りますし。